この記事を読んでいるあなたは、墓じまいを検討しているタイミングで、永代供養とはどのようなものなのか、そして、費用がどのくらいかかるのかについて知りたいとお考えなのではありませんか?
今回解説する記事の内容をまとめました。
- 墓じまい、永代供養とは?
- 墓じまいにかかる費用は?
- 永代供養にかかる費用は?
- 墓じまいして永代供養するために必要な準備
- 墓じまいで永代供養する際、後悔しないために注意する事
- 墓じまいで永代供養する場合のお布施は?
上記の内容に関しての結論は以下の通りです。
- 墓じまいは墓石を撤去する事
- 永代供養はお墓を継承せず供養を寺院や霊園に任せる事
- 墓じまいにかかる費用の20〜50万円程度
- 永代供養は一番安い合祀タイプのお墓だと10〜30万円
この記事を読めば、墓じまいで永代供養にした場合の費用がわかり、損することなく墓じまいを行うことができます。
墓じまい、永代供養とは
墓じまいを検討するタイミングで、「永代供養」という言葉を耳にすると思います。二つにはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴について解説します。
墓じまいとは
墓じまいとは暮石を撤去し、墓所をまっさらにして墓所の管理者に返還することです。
暮石を撤去するだけでなく、一度葬った遺骨を別のお墓に移す「改葬」も併せて必要で、墓じまいで終わるわけではなく、改葬までのセットが通常の流れです。
ちなみに自分で遺骨を勝手に掘り起こして別のお墓に移したり、廃棄することは法律で禁止されています。
永代供養とは
永代供養とは、先祖や故人の暮石や遺骨をお寺や霊園に管理を任せて、永代に渡って供養してもらうことです。永代といっても「永遠」ではなく、お寺や霊園の管理が続く限り供養してもらえます。
永代供養には、4つの種類があります。
- 合祀タイプのお墓
- 樹木葬タイプのお墓
- 納骨堂タイプのお墓
- 個人墓付きのお墓
永代供養のタイプとして最も多いのが合祀で、遺骨を他人の遺骨を一緒に埋葬する方法です。次に、樹木葬タイプのお墓は、暮石の代わりに樹木を墓標とするお墓のことをいいます。
納骨堂タイプは、遺骨を収蔵できる納骨スペースに納骨し、供養してもらうもので、納骨スペースは、室内に設置されていることが多いです。
最後に個人墓付きのお墓は、故人一人だけのお墓のことで、契約期間中は個人墓で供養をしてもらいます。契約期間が終了したときは、他の遺骨と一緒に埋葬することが一般的です。
墓じまいにかかる費用は
墓じまいには、暮石の撤去費用だけでなく、行政手続きに関する費用や新たな遺骨先に関する費用などがかかります。ここでは、お墓の撤去に関する費用を解説します。一つずつ見ていきましょう。
墓じまいにかかる費用
墓じまいにかかる費用の総額は、20〜50万円程度が相場です。暮石撤去の工事費用だけでなく、場合によっては離檀料やお布施がかかります。下記でその内訳を解説します。
墓石の撤去にかかる費用
暮石を撤去・処分する際にかかる費用の相場は、1平方メートルあたり20万円程度です。撤去するには石材店などの業者に依頼する必要があり、墓地によっては指定された業者に従って撤去作業をすることもあります。
離檀料
離檀料とは、お墓がお寺にある場合に発生する費用で、檀家を辞める際にお寺に支払います。離檀料は、今までの感謝の気持ちとしてお渡しするのが通例なので、費用相場は無料〜20万円です。一般的には法要などでお渡しする費用の2〜3倍程度が目安とされています。
お布施
地域やお寺によって異なりますが、基本的には通常の法要と同額程度で問題ありません。費用の相場は、3〜10万円です。お布施は、暮石の撤去で執り行う「閉眼供養」という儀式の際にお寺にお渡しします。
永代供養にかかる費用
永代供養にかかる費用は、通常かかるとされる年間管理費は必要ありません。永代供養してもらうお寺に遺骨などを預ける際に、永代供養料として支払います。ここでは、4種類ある永代供養のお墓タイプにかかる費用を見ていきます。
合祀タイプのお墓
一般的に永代供養で利用されるお墓のタイプです。費用相場は、遺骨1霊あたり10〜30万円程度です。合祀タイプのお墓は、個人墓を設けず他の遺骨を一緒に埋葬するため、費用を抑えることができます。
樹木葬タイプのお墓
樹木葬タイプの永代供養にかかる費用は、30〜70万円です。1つの遺骨につき1本の樹木を植えるタイプと、1本の大樹の下に複数の遺骨を埋葬するタイプがあります。2つのタイプのいずれも、永代供養のパターンであることが多いです。
納骨堂タイプのお墓
永代供養タイプの納骨堂の費用は50〜100万円です。費用の内訳は、永代供養料と納骨堂の使用料、納骨費用や開眼法要料などがかかります。納骨堂がある場所によって費用は変動し、駅や都心に近くなるほど費用が高くなる傾向にあります。
個人墓付きのお墓
個人墓つきのお墓の費用相場は、70〜150万円です。最初は個人で供養するため、合祀タイプのお墓よりも費用が高くなります。また、夫婦で入りたいなどの要望によって、別途追加料金が必要になることが多いです。
墓じまいして永代供養するために必要な準備
ここでは、墓じまいをスムーズに行えるように、永代供養するための準備について解説します。何から始めれば良いかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
お墓に故人が何人いるか確認
まずは、お墓に故人が何人いるかを確認します。改葬の際に、遺骨の数だけ「改葬許可証」が必要になるので、把握しておく必要があります。
古くからあるお墓の場合、故人が何人いるかを把握していない方も多いです。その際は、親戚やお寺側に故人の人数を確認しておきましょう。
また、お墓を移す先が同じ宗派なのかも把握しておく必要があります。法要の方法が異なったり、改装先の宗派に変えなければいけない場合があるので、併せて確認しておきましょう。
親族や寺に確認して同意を得る
墓じまいでよく起こるトラブルが、親族に相談せず墓じまいしてしまうことです。お墓は親族も関わることなので、相談なく進めてしまうとトラブルの原因にもなります。事後報告にせず、相談して同意を得る必要があります。
また、お寺側にも事前に同意を得るようにしましょう。相談なく先に改装手続きを済ませてしまった場合、お寺が改葬を許可してくれないケースもあります。今までの付き合いを踏まえて、誠意ある行動が必要でしょう。
永代供養できる改葬先を探す
最後に、永代供養できる改葬先を探しましょう。前述したように、永代供養には4種類のお墓タイプがあるので、予算や周囲の環境などから選ぶと良いです。
また、大事な先祖や故人の遺骨の管理を任せるので、お寺や霊園の対応の良さを見ておくと安心です。
墓じまいで永代供養する際、後悔しないために注意する事
墓じまいで永代供養する際、一般的なお墓の供養にないことがあるので、後悔しないためにも注意点を知っておきましょう。
お墓の料金が一柱あたりの費用かスペースに対する費用か確認
永代供養をする際に、お墓の料金が一柱あたりの費用かスペースに対する費用かで値段が異なります。
スペースに対する費用であれば、可能な限りの遺骨を埋葬しても値段は変わりません。しかし、一柱あたりの費用なら、夫婦で供養すると二柱となってそれだけの費用がかかります。ほとんどの霊園が提示している永代供養の費用は、一柱あたりの場合が多いです。
「一般的なお墓を建てた方が費用を抑えられた」とくれぐれも勘違いしないように注意しましょう。
合祀タイプのお墓は一度納骨すると分骨できないので注意
一度合祀された後の遺骨は、分骨できないので注意が必要です。親族に相談せず合祀してしまい、トラブルになって元に戻そうと思ってもできません。
どのような埋葬方法を望んでいるかは人によって違い、大切な故人のために何とか個別墓を用意したいと考える方もいらっしゃるでしょう。トラブルを避けるためにも、親族たちと事前に話し合って慎重に決める必要があります。
墓じまいで永代供養する場合のお布施は?
墓じまいで永代供養する場合のお布施がどの程度必要なのかわからない方も多いです。墓じまいでかかるお布施と、永代供養で納骨する際のお布施を見ていきます。
墓じまいでかかるお布施は3〜10万円
地域やお寺によって費用の相場は異なりますが、一般的には3〜10万円といわれています。
お布施は、お寺のお坊さんに閉眼供養をする際の感謝の気持ちとして渡すものなので、上記のように金額に開きがあります。また、お坊さんにお墓まで来訪してもらう場合は、御車代として5,000円〜1万円をお渡しすることが一般的です。
永代供養で納骨する際のお布施は3〜5万円
永代供養でもお坊さんに読経してもらう際には、お布施をお渡しします。納骨する際のお布施は、3〜5万円が一般的な相場です。
注意点として、永代供養料の中にお布施代が含まれている可能性もあるので、お寺や霊園に費用の内訳を確認しておきましょう。
まとめ:墓じまいで永代供養にかかる費用は
この記事のおさらいをしていきましょう。
- 墓じまいは墓石を撤去する事
- 永代供養はお墓を継承せず供養を寺院や霊園に任せる事
- 墓じまいにかかる費用は20〜50万円程度
- 永代供養は一番安い合祀タイプのお墓だと10〜30万円
- 合祀タイプのお墓は納骨すると分骨できないので注意
永代供養は一般的な墓じまいよりも費用を抑えることができます。しかし、永代供養のタイプや注意点を知っておかないと、損することがあります。
この記事を参考にし、墓じまいで永代供養をお考えの方は、万全の準備をした状態で墓じまいを行なってください。